美味しい非常食と地震保険で災害に備える、9月は防災月間

[2024/9/10]

本当に暑かった夏が過ぎ、少しだけ秋の気配を感じるようになりました。秋といえば、スポーツの秋、読書の秋、色々とありますが、みなさんはどの秋がお好みですか?札幌在住の私は何と言っても「食欲の秋」です。

札幌では毎年9月に「さっぽろオータムフェスト」というイベントがあります。ラーメンをはじめ、スープカレー、餃子、焼き鳥、ハンバーガーなどなど、大通公園に沢山の飲食店が並ぶイベントで、雪まつりよりも毎年、楽しみにしています。

そして9月といえば、実は「防災月間」でもあります。今年は1月に石川県、8月にも宮崎県で大きな地震があり、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が初めて発表されました(8月15日に終了)。

みなさん、地震への備えは何かされていますか?今回は「地震保険」について、一緒に考えてみましょう。

■知っているようで知らない地震保険
「地震保険」は損害保険会社と国が共同で運営する保険です。大きな地震などの災害時には、保険金の支払いが多額になりますので、損害保険会社だけではなく、国もバックアップすることになっています。医療保険や生命保険には、この様な仕組みはありません。

また、医療保険や生命保険は保障内容や保険料が色々とあり、選ぶのに迷ってしまうぐらいですが、地震保険は、どの損害保険会社で契約をしても、補償内容も保険料も同じです。地震保険では、居住用建物や家財が補償の対象となり、地震・噴火または、これらによる津波が原因となって、火災・損壊・埋没・流失した場合に補償されます。

なお、地震保険に入る際は、火災保険と一緒に入る必要があり、地震保険単体での契約はできません。地震保険単体で契約できると宣伝している商品もありますが、これは少額短期保険と言って、保険期間が1年ないし2年、かつ、保険額も少額の保険です。

短期間の地震保険を検討しているとか、通常の地震保険へさらに上乗せしたい場合などの選択肢として考えるといいかもしれません。

■地震保険の保険料はどのくらい
地震保険の保険料は、所在地と保険をかける建物の構造によって違いがあります。所在地は都道府県ごとで分けられ、建物の構造は鉄骨・コンクリート造(イ構造)と木造(ロ構造)に分けられます。

参考までに、保険料が高いのは千葉、東京、神奈川、静岡で、イ構造が2,750円、ロ構造が4,110円です。逆に低いのは北海道、山形、京都、岡山、大分など28道府県で、イ構造が730円、ロ構造が1,120円となっています。(保険額100万円あたりの年間保険料 2022年10月以降に契約の場合)

ホームページ上に、保険料シミュレーターを用意している損害保険会社もありますので、気になる方は試算してみるのもいいかもしれません。

■保険金の額と被害にあった場合の支払い手続き
保険金の額は火災保険の保険金額の30%~50%の間で、任意に設定します。上限額があり、建物5,000万円まで、家財1,000万円までとなっています。

損害の程度によって、全壊、大半損、小半損、一部損と4区分に分かれ、損害認定した上で保険金が支払われます。ただ、損害認定を損害保険会社以外の人が判定するのは難しく、自治体が交付する罹災証明等の判定と、判定基準が違う部分もあります。

一見、大きな損害がなかったように見えても、念のため損害確認をしてもらったほうがいいケースもありますので、何かあったら加入先の損害保険会社に相談してみるのが確実です。また、被害を受けた混乱の中で、保険証券を探してみたものの、見つからないことがあるかもしれません。

通常、契約をした会社に連絡をすれば対応してもらえますが、会社がどこだったかよく分からない場合は、一般社団法人日本損害保険協会「自然災害等損保契約照会センター」に問い合せをして、契約先を調べてもらいましょう。

■地震保険って必要?
地震が増えているとはいえ、地震保険は必ず入らないといけないものではありません。例えば、地震や津波など災害リスクの起こりやすい地域に住んでいる場合は、地震保険を検討してみてもいいかもしれません。

また、住宅ローンが長期で残っている、被災後の生活を立て直すための資金が少ない、被災後、長期に渡って収入が減ることが予想されるといった場合は、地震保険の検討と同時に、ライフプラン全体の見直しをしてみるのも一つの方法です。
この機会に、いつもつけている家計簿マムで全体の収支を見直してみましょう。

■火災保険だけ入っているけれど、後から地震保険の加入は可能?
地震保険は火災保険を契約する際に同時に入るだけではなく、後からでも契約ができます。また、火災保険や地震保険は改定が不定期にありますので、契約後は、時々見直しをすることもおすすめします。

9月は防災月間です。最近は、おこわ、ピラフ、ドライカレー、美味しいパンの缶詰など、日常でも食べたくなるような非常食が色々とあります。備えあれば患いなし、備蓄品の確認と保険の確認を今一度してみませんか。

ファイナンシャルプランナー:大川 真理子