半年に一度の「総資産額チェック」は衣替えとともに

[2025/6/17]

夏服の出番が増える6月、みなさん、もう衣替えはお済みですか?

最近は衣替えをしない前提で、クローゼットなどに、衣類やバッグ等の収納専用スペースを作る便利な方法もあるそうです。そういえば「収納上手はお金も貯まる」って聞いたことありませんか?

これは、収納の専門家の方が時々言ったりするのですが、整理整頓ができていると余計なものを買わなくなる、というのが理由だそうです。お金の専門家としては「うちの収納は当然、きっちりできています」と言いたいところですが…。

さて、話は変わりますが、2ヶ月ほど前に資産運用講座を担当いたしました。無料の資産運用講座が多い中、この講座は有料だったにも関わらず、20代から30代の方を中心に参加されていました。

参加の動機を聞いてみたところ「学ぶならYouTubeとかではなくて、リアルで受けたいと思って。」とのことで、意識の高い返答に身が引き締まりました。そこで今回は、講座内でも少し触れました「半年に一度の総資産額チェック」についてです。

収入・支出、その先にある収支
収入・支出、人によっては、その日にあった出来事を記入し、大切な記録として残しておけるものといえば家計簿です。そして、家計簿に記入された収入支出を計算し、出てくる数字のことを収支といいます。

収支はどこの家庭でも常に一定額ということはなく、プラスになったりマイナスになったりと変動します。例えば、収入が増えたとしても、収入以上の支出があれば、収支はマイナスになります。

逆に収入が減ったとしても、支出のやりくりで上手く乗り切ることができれば、収支はマイナスにはなりません。この収支のプラスとマイナスの積みかさねが、貯蓄額に反映されます。

プラスの収支が続くと貯蓄額は増えますが、もし、マイナスの収支が続くと「あれれ、通帳の残高、減ってる?」という事態を招きます。みなさん、通帳の残高が今どのくらいか、ぱっと思い出せますか?

通帳の残高を目で見て確認しつつ、次は家計全体の収支に視野を広げてみましょう。

家計全体の収支をチェックする3つの項目
家計全体の収支をチェックするには「金融資産」「負債」「実物資産」の3つの項目の確認からはじめます。まず「金融資産」といって思いつくものは、やはり預貯金ですよね。

それから、有価証券(いわゆる株式)や投資信託、貯蓄性のある保険(掛け捨てではない保険)も金融資産に入ります。これらすべての金額を合算します。

次に「負債」ですが、これは住宅ローンや自動車ローン、キャッシングなど借り入れている金額のことです。こちらも借入残高を合算します。

最後に「実物資産」ですが、これは土地や建物などのことです。現状の分かる範囲で構いませんので、金額を出して合算します。なお、土地や建物の評価額は毎年、4月から6月の間にお住まいの自治体から送られてくる「固定資産税納税通知書」に記載があります。

それぞれの項目の計算ができたら、「金融資産の合算額」から「負債の合算額」を引きます。引き算をして出てきた額と「実物資産の合算額」を足すと、計算した時点での「我が家の総資産額」になります。

我が家の総資産額を出す目的
総資産額は半年に1回(1年に1回でもいいです)定期的に出します。数字を見るだけで達成感に浸ってしまいそうですが、計算をして終わりではありません。

総資産額を出す一番の目的は、半年前の総資産額と比べて増えているのか、減っているのか確認することにあります。また、総資産額だけではなく、各項目の増減額の確認をすることもお金の流れを把握する上で大切です。

説明を読むだけではピンと来ていない方も、3つの項目を作って、数字を入れる枠を作るだけの簡単な一覧表で結構ですので、是非、取りかかってみてくださいね。一度、一覧表を作ってしまえば、そんなに難しい作業ではありませんし、ちょっとした頭の体操にもなります。

毎年6月と12月は総資産額を出す月
実際に数字にして結果を見えるようにすると、この半年頑張ったとか、もう少し工夫が必要だったかな?など様々な思いが出てくるものです。ただ、思いとは裏腹に、数字はごまかしがきかず、プラスにはプラスの、マイナスにはマイナスの理由が必ず潜んでいます。

プラスやマイナスの理由を探るには、わが家の大切な記録である家計簿を活用します。「毎年6月と12月は総資産額を出す月」にすると、半年という間隔が分かりやすいですので、早速今月取り掛かってみることをお勧めします。

衣替えの時期だわ、そうそう、総資産額も出さなきゃ!」という感覚になることが最終目標…というのは冗談ですが、できるだけ習慣化されるといいですね。

ファイナンシャルプランナー:大川 真理子