ファイナンシャルプランナーの大川真理子です。
前回2月14日号にてお知らせしました通り、今回は「家計の見直しポイント」についてご紹介します。
■お金を増やす方法
「お金の専門家ファイナンシャルプランナーだから、お金を増やす特別な方法を知っているんでしょ」と過去に言われたことがあります。実は、私自身も資格を取得するまでは、何か特別な方法があるのではと思っていました。
が、実際にお金を増やす方法は、3つしかありません。それは「支出を減らす」「収入を増やす」「運用する」です。
「運用する」については2023年11月14日号にて、少し触れていますので、そちらをご参照いただくとして、今回は「支出を減らす」に焦点をあてていきます。
■家計の見直しポイント
家計の見直しでまず必要なことは、収入と支出の把握です。「家計簿マム」をお使いの皆さんは、パソコン画面で収入と支出の推移や費目の比率など、どのくらい意識されていますか?
家計簿は全くつけていないという方は、まず、レシートを一か月ためて、お金の出入りを「可視化」するところから始めましょう。支出を減らすのに効果的かつ即効性があるのが「固定費の見直し」です。
固定費とは水光熱費や通信費のように、毎月一定額必要な費用のことです。どのような見直し方法があるかというと
・水光熱費 日常生活でつけっぱなしの電気や、使いすぎている水道・ガスがないか、今一度確認してみましょう。また、古くなった家電を買いなおす(特に、冷蔵庫は家電の中で一番電気を使います)、電力会社を変えてみるといった方法を取ると、分かりやすく効果が出ます。
・通信費 スマホの料金プランや自宅のネット契約を2、3年以上変えていないという方は、契約中の通信会社のサイトなどで、新しいサービスが始まっていないか確認してみましょう。また思い切って、格安スマホに乗り換えるといった方法もあります。
・保険 保険の契約内容にもよりますが「子供はすでに独立しているのに、高い生命保険をかけ続けている」とか「加入中の医療保険にて、手厚いがん保険特約を付けているのに、さらに別会社で高額ながん保険に加入している」など、契約後、長い間ほったらかしになっている保険は、内容を確認してみましょう。
・住宅ローン 借り換えの検討も一つの方法です。借り換えしてメリットがあると言われる目安は「ローンの期間が10年以上あり、返済が1000万円以上残っている場合」と言われます。
金利によって借り換え後の差額も変わりますので、現在利用中の金融機関をはじめ、検討中の金融機関のサイトなどにあるシミュレーターを使って、返済額を確認することをおすすめします。手間と手数料がかかりますが、上手くいけば、支出を大きく減らせる項目です。
その他にも、定期購入しているものや、動画や音楽のサブスクなど、必要なものかどうか、一度見直してみるのもいいかもしれません。
そして「変動費の見直し」もしましょう。
変動費とは月によって変わる費用のことで、食費、医療費、被服費、交際費といった項目があります。自炊を増やすとか、交際費を減らすなど、色々な節約方法がありますが、あまり細かく条件を付けたり、厳しい節約に走ると続かなくなります。
お金を使う際に「必要な物にお金を使うのか」「欲しい物にお金を使うのか」を意識することが、変動費見直しの入口になります。ここまで支出の見直しをすると、一仕事終わったような気分になりますが、実はこの後が重要です。
■理想の家計を実現するには
家計の見直しが出来たら、あとは、実行するだけです。具体的な目標設定をして、周りに公言すると、理想の家計の実現へ近づきやすくなります。
例えば、「旅行に行くために10万円貯める」とか「毎日100円貯金する」とか、数字を出して目標を明確にします。また、周りに公言しておくと「今日は100円貯金した?」など、外堀を固めてもらえる効果が期待できますのでおすすめです。
参考までに、ユニークな貯蓄方法もご紹介します。
・52週貯金 1週目は100円、2週目は200円という風に100円ずつ増やして貯金をします。52週目(1年)は5,200円の貯金となり、1年間でトータル137,800円貯めることができます。
・つもり貯金 1カ月外食しない、1週間コンビニには行かないなど目標設定をして、使わなかったお金を貯金します。
1週ずつ貯金とか目標設定とか、面倒でできないという方には、必ず貯まる「先取り貯金」をおすすめします。
・先取り貯金 毎月のお給料(または2カ月に一回の年金)が入ったら、自分で決めた一定金額を先に引いて、どこかに貯めておき、残りの額で一か月過ごします。例えば、お給料が20万円の場合、先に1万円を引くと決めたら、残りの19万円で過ごします。一番簡単で、確実に貯金ができる方法です。
いずれにしても、一過性ではなく、無理せず続けられる、習慣化できることが成功へのポイントとなります。
家計の見直しは、できることから取り掛かってみましょう。そして、疑問点や悩みが出てきたら、お気軽に[ご意見箱]へ投稿してくださいね。
取り上げてほしいテーマや感想などもお待ちしています。
|