いま知っておきたい「投資詐欺」を見分けるキーワード4選

[2023/11/14]

前回の 新・大人のお金道11/14号 では、一生涯非課税で投資ができる新しい制度、新NISAを取り上げました。

新しい制度は周知するまで時間がかかるものですが、この情報周知ができていないタイミングに便乗して出てくるのが、投資詐欺です。

今回は「投資詐欺を見分けるキーワード」の中でも、代表的な4つをご紹介します。
ネットや広告など、すでに身の回りで見たことがあるかもしれませんね。

投資詐欺を見分けるキーワード
■「絶対」「100%」といった言い切り型
絶対上がる株式、100%もうかる方法といったフレーズは時々見かけますが、投資に「絶対」や「100%」はありません。

どれだけ優秀な株式トレーダーでも、先のこと全てが分かる人はいませんので、これら「言い切り型」のキーワードが出てきたら、要注意です。

■「あなただけに特別」といった特別待遇型
元本が100倍になる儲け話を「あなただけに特別」教えます、といった特別感をあおる話を、うのみにするのは避けましょう。

この話はあなたが儲かるのではなく、あなた以外の誰かが特別に儲かる話なのです。

どうして自分のところにそんな上手い話が転がってきたのか、よく考えればおかしいと分かりますが、特別待遇を受けると、普段冷静な人でも判断を誤ることがあるのです。

■「〇〇するだけで儲かる」「今すぐ決断を」といった速攻型
「この〇〇を購入するだけで儲かる」「最後の機会なので今すぐ決断を」といった結論を急かす速攻型に出会ったら、逆に時間を取りましょう

正しい判断をしたり、他の人に相談する時間を取り上げるために、急がせているのです。

投資の基本は長期・積立・分散であることをどうぞお忘れなく。

■「未公開株」「社債」を買いませんか、といった勧誘型
「未公開株」や「社債」は、登録を受けた証券会社以外での販売は法律で禁止されています。

万が一、これらの勧誘を受けたら、登録された証券会社かどうか、金融庁のサイトにて確認しましょう。
当然ですが、個人での売買や勧誘は法律では認められていません。

その他にも、最近はLINEやSNSを使った囲い込み型の投資詐欺が存在します。
複数の人がグルになって、うその儲け話をして、信じ込ませる手口です。

儲かった話をする人と、儲け話を勧誘してくる人、二人とも同じ詐欺グループで、何も知らないのは騙される人だけという構図です。

特別待遇型でもこの手口を使うことがあります。

もし、気をつけていたけれど騙されたとか、詐欺かどうか判断がつかない、といったことがありましたら、金融庁の相談窓口(金融サービス利用者相談室 電話0570-016811)に連絡しましょう。

■一人の相談が他の人の詐欺被害を防ぐこともある
実は先日、実家の母の元へ、一本の電話がありました。

電話を取って受話器から聞こえたのは、人の肉声ではなく、音声ガイダンスの人工的な声で「アンケートに答えてください」という一方的な通話でした。

内容をよく聞くと、お金を持っているのかどうか探りを入れるような質問で、発信元もはっきりしないので、すぐに電話を切ったとのことでした。
気味が悪いので、自治会に一応報告をすると、同じような電話が近所で複数発生していたそうです。

変だなと思ったら、一人で悩まず、公的な窓口の利用をおすすめします。

ファイナンシャルプランナー:大川 真理子