医療費の自己負担額には上限あり
[2023/9/12]
医療、介護費を始め、老老介護の心配、一人で迎える老後などのご相談が、7月の投票ひろばに寄せられました。
超高齢化社会の中では、多くの人に共通する悩み事でもあります。
病気になったら一体いくらかかるのだろう・・と、費用のことばかり気になるものですが、色々考えるその前に、どんな社会保障制度があるかご存じですか?
■医療費の自己負担上限額は決まっている「高額療養費制度」
入院・手術などをして医療費が多くかかったとしても、自己負担する上限額は決まっています。
この制度を「高額療養費制度」といいます。
年齢や収入によって、自己負担上限額が決まっており、上限額の区分け表は厚生労働省のウェブサイトにて見ることができます。
例えば、50歳の方が、入院・手術をして医療費が100万円かかったとします。
50歳ですので医療費の自己負担額は3割負担の30万円です。
いったん、病院窓口で30万円を支払うことになりますが、高額療養費の申請をすると、自己負担は上限額までとなり、申請後、差額が返金されます。
目安として、一般所得者(年収約370万円迄)の場合、一か月の自己負担上限額は57,600円です。
■入院・手術前に用意すると便利な「限度額適用認定証」
手続きをすれば、自己負担上限額を超えた医療費の返金があるとはいえ、大きな額を立て替えるのはなるべく避けたいものです。
入院・手術などが決まったら、加入している健康保険組合に申請して「限度額適用認定証」を発行してもらうと便利です。
入院時にこれを病院窓口へ提示すると、医療費の計算が始めから自己負担上限額までになります。
なお、今話題のマイナ保険証を使うと「限度額適用認定証」を持っていなくても、自動的に自己負担上限額までの計算をしてもらえますので、立て替えが不要となります。
高額療養費制度に代表されるように、日本の公的医療保険制度は充実していますので、医療費に関して、過度に恐れる必要はありません。
それでも不安という方は、家計簿の予備費を少しずつ増やすという視点で、今一度、収入支出を見直してみましょう。
みなさま気になる介護については、次回以降取り上げます。
ファイナンシャルプランナー:大川 真理子