ファイナンシャルプランナーの大川真理子です。
本格的に秋が深まる10月、朝晩冷える日も増えてきましたね。10月は学校や会社の制服の衣替えシーズンでもありますが、みなさんは学生の頃、ブレザー着用でしたか?詰襟あるいはセーラー服でしたか?
私は中学、高校とブレザー着用で、セーラー服と縁がありませんでした。子供の頃は、高校生といえばセーラー服のイメージがあり、進学する高校の制服がブレザーと気づいた時、ちょっとだけ残念な気持ちになりました。
10月は装いが変わるだけではなく、社会保険制度の変更もいくつかあります。今回は、パートやアルバイトなどで勤めている方の社会保険制度の変更についてご紹介します。
■パート・アルバイトでお勤めの方、社会保険の適用が拡大されます
正社員の場合はお給料から社会保険料が差し引かれ、将来受け取る年金へ反映され、万が一働けなくなったとき受け取る傷病手当にもあてられます。パートやアルバイトの場合、社会保険が適用されるには正社員と同じくらいの勤務時間が必要でしたが、近年その枠組みが緩和されています。
もし現在、パート・アルバイトでお仕事をしていて、お勤め先の従業員数が51人以上の場合で、
・1週間に20時間以上働いている
・雇用の見込みが2ヶ月を超える
・1ヶ月のお給料が88,000円以上(残業代、通勤手当、賞与等は含まない)
・学生ではない
これら4つの項目全てに該当する方は、今年10月から社会保険が適用されます。
なお、お勤め先の従業員数が101人以上の場合は、すでに2022年10月から同じ条件にて、社会保険適用となっています。
■配偶者の扶養範囲でお勤めの方にも朗報
パートやアルバイトで年収130万円を超えると、配偶者の社会保険の扶養から外れ、自分で社会保険料を支払うことになります。ただ、この社会保険料は支払っても、ご本人の年金には反映されない仕組みとなっていました。
扶養から外れたくないパート、アルバイトの方は、労働時間を減らして年収130万円未満におさえるようになり、この現象は「年収130万円の壁」とも呼ばれていました。今回の改正ではこの「年収130万円の壁」への対策も含まれています。
具体的には、パート、アルバイトの方が社会保険適用になった場合、保険料の負担は本人だけではなく、会社も半分負担する上に、加入者が将来受け取る年金額にも反映されることになりました。扶養から外れたくないという理由だけで、働きたいのに労働時間を短くしていた方は、年収を気にする必要がなくなりました。
■年金を増やすにはどうしたらいい?
日本では20歳から60歳未満の方全員が国民年金に加入して年金保険料を納め、基本的に65歳から「老齢基礎年金」として受け取る仕組みとなっています。会社勤めをして厚生年金に加入している場合は、さらに「老齢厚生年金」も受け取ることになります。
国民年金を40年間満額納めた場合は、老齢基礎年金として月額約68,000円受け取ることができます。一方、老齢厚生年金はお勤めの年数や、お給料の額によって受け取る額が決まります。
つまり、お勤めの年数を長くする、あるいはお給料の額が増えると老齢厚生年金の増額に繋がります。例えば年収150万円の方が、今回の改正で20年間厚生年金に加入した場合、保険料は月11,600円ですが、受け取る年金は月12,700円増えます。
なお、年金をすでに受給している65歳以上の方がアルバイトなどで厚生年金に加入した場合は、加入実績に応じて毎年1回、年金額が増える仕組みとなっています。
■年金の種類は他にも2種類ある
「年金額が一生涯増えるとはいえ、社会保険料を払うほどのことでもないのでは?」と思った方も、中にはいらっしゃるかもしれませんね。確かに、65歳以降に受け取る年金額だけを考えると、長生きすればするほどお得になる仕組みですが、先のことは誰にも分かりません。
実は年金は「65歳以降に受け取る」だけではなく、障害年金と遺族年金と呼ばれるものもあり、万が一の時に備えられています。障害年金は、病気やケガなどで障害の状態であると認定された場合に受け取ることができる年金です。
遺族年金は、被保険者(保険を掛けられている人)が亡くなった時に遺族に対して支給される年金です。厚生年金に加入している場合は、障害厚生年金や遺族厚生年金が上乗せされますので、保障の充実と安心に繋げることができます。
厚生労働省のウェブサイト「公的年金シミュレーター 」にて、働き方や暮らし方の変化に応じた年金額の試算ができますので、参考にされてみるのもいいかもしれません。
現在の日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳となり、年々長くなっています。家計簿マムと一緒に、年金を含めたライフプランの確認をしてみてはいかかでしょうか。
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