この春、ライフイベント実現へ向けた第一歩を踏み出してみませんか
[2025/4/8]
ここ数年のことかと思うのですが、春になると雑貨屋さんで、可愛い柄の卵やうさぎの置物を見かけるようになりました。
可愛いけれど、一体何なのだろう…と以前から思っていたところ、4月のイベントの一つ、イースター用に飾る置物だそうです。西洋のイベントで身近なものはクリスマス、少し頑張ってハロウィンという昭和世代ですので、イースターと書いてはみたものの、実はちょっと馴染みがありません。
みなさん、イースターといえば、石像モアイ像が沢山並んでいるイースター島を想像しませんか?ちなみにイースター島はイースターの日に発見されたことにちなんで命名されたそうで、卵の飾りつけとは直接関係ないようです。
世の中には色々なイベントがあります。そして今回のテーマは大切なイベント「ライフイベントについて」取り上げます。
■人生の中で大きなイベント、ライフイベントの目安額
人生の中で大きなイベントのことを「ライフイベント」と言います。イベントというと、費用がどうしても気になりますので、ライフイベントに必要な目安額をいくつかあげてみました。
人生の3大支出と言われるのが教育費・住居費・老後資金です。まず始めに教育費ですが、私立・公立・理系・文系で必要額に差があります。
目安としては、幼稚園から高校までは公立で大学が私立の場合は約1,097万円。私立医療系大学の場合はこの倍以上必要と言われます。
住居費は地域によって差がありますが、建売戸建ての目安は約3,719万円。首都圏などではサラリーマンでは購入が考えられないような、びっくりするくらいの額になっています。
老後資金は一か月の支出額が夫婦二人で27万円と言われています。ちなみに介護費用は一人あたり月約18万円が目安です。
お住まいの地域や、生活スタイルなどによって、費用に違いがありますので、あくまでも参考として見ていただければと思います。なお、イベントではありませんが、生活費の3か月から半年分の額は、何かあったときの予備費として準備しておきましょう。
■人生後半に不足する額はどのくらい?
年金生活に入る前の方は、老後に不足する(であろう)お金の目安を一度、計算してみましょう。計算式は「毎月の収入×12-(毎月の支出×12+年間の特別支出)=1年間に不足する金額」です。
毎月の収入とは、年金定期便を参考にした年金額や私的年金など退職後に収入となるもののことです。毎月の支出は先ほどの目安を参考に、ひとまず月27万円(単身の場合は月16万円)と仮定します。
年間の特別支出とは、固定資産税や住民税など年1回のみ支払いするもののことです。計算した結果、マイナスになった額が1年間に不足する金額の目安です。
退職金や貯蓄額が入るとより詳細な計算ができますが、不足額があらかじめ分かっていると、年金生活に入る前に老後資金の予定を立てることもできます。ざっくりした額にはなりますが、一度計算をしてみましょう。
■すでに年金生活中の方、今後、大きな費用のかかるイベントは何?
すでに教育費や住居費は済んでいるとか、支払いの終わりが見えているといった年金生活中のみなさんは、人生後半のイベント費用について考えたことがありますか?大きな費用が予想されるイベント例としては、お子さんの結婚や住宅購入時の資金援助、孫の教育費の援助などが考えられます。
また、長年住んだ自宅のリフォームや、長く乗っている車の買い替えなど、新旧交代のタイミングが必要な物があるかもしれません。その他にも旅行費や趣味に使う費用など、人によっては、まとまった額を考えている方もいらっしゃるかもしれませんね。
人生後半のイベントを実現するには、まずは、優先順位をつけることが大切です。今後どんなことを実現したいのか、改まって話をする日も、きっと心に残るイベントの日となります。
■イベント実現へ向けてまず取り組むことは、どの年代も「固定費の見直し」
教育費、住居費、老後資金、子供への資金援助など、今回あげた項目は、実は相談を受ける頻度の高い内容ばかりです。こういった相談を受けた場合、一番はじめに取り組んでいただくのは年代を問わず、固定費の見直しからです。
固定費とは、水光熱費、スマホや自宅で使うインターネットなどの通信費、医療保険や生命保険といった民間の保険、サブスクリプションサービスなど、定期的に一定の金額、支出することが決まっている項目のことです。以前、家計の見直しのテーマで固定費について取り上げたこともありましたが、みなさん、固定費の見直しをしたのはいつ頃でしたか?
イベントに必要な額が大きいと、実現するまで、とても遠くに感じるかもしれませんが、小さなところを見直すことは大切です。イベントの実現へ向けて、この春は第一歩を踏み出してみませんか。
ファイナンシャルプランナー:大川 真理子