大人だからこそ楽しい「学び直し」は意外とお気軽にできる

[2025/2/12]

ファイナンシャルプランナーの大川真理子です。つい先日、お正月を迎えたと思ったところだったのに、気づくともう二月になっていました。

お正月から三月までは行事が多いことから「一月は往ぬる、二月は逃げる、三月は去る」と、言われます。個人的には大きな行事はありませんが、このままの勢いで過ごしていると「今年もあと半年になりました」と来月の新・大人のお金道で書き出してしまいそうな感覚です。

時間はあっという間に過ぎ去ってしまいがちです。みなさんは2025年の目標や、やりたいことなど何か決めていましたか?

特別何も決めていなかったという方、今年は「新しく学ぶ年」というのはいかがでしょうか。

■大人になってからの「学び直し」
住宅費・子供の教育費・老後の費用」は人生の3大支出と言われています。この3つを上手に実現するために、ファイナンシャルプランナーは長期的なライフプランを作ります。

ただ、日本人の平均寿命が男性81.09歳、女性87.14歳となった今、人生後半の期間が昔よりも長くなっています。3大支出も重要なのですが、後半の期間をどのように過ごすか考えることも大切です。

そして、過ごし方の一つとしてあげられるものが「学び直し」です。

■リカレント教育で将来像を描く
最近はAIや技術の進歩がめまぐるしく、ニュースを見るたびに驚くことが多くなりました。「新しい知識を入れて更新しないとなぁ・・」と感じていらっしゃる方も少なくないかと思います。

就職してからも、それぞれの必要なタイミングで学び直し、仕事と学びを繰り返すことを「リカレント教育」といいます。ちなみにリカレントとは英語で「繰り返す」とか「循環する」という意味です。

「リカレント教育」と並んでよく耳にするのが「リスキング」です。こちらは主に、企業が従業員に対して、時代のニーズに即した能力・スキルを身に付けさせる学び直しのことを指します。

リカレント教育には、現在の仕事の知識を深めるパターンや、専門外だけれども興味のある分野の知識を身につけるパターンなど、色々な選択肢があります。実際にリカレント教育について調べるには、文部科学省が紹介しているウェブサイト「マナパス」を使うのも一つの方法です。

色々な分野の講座が掲載され、時間、費用などが検索できるようになっています。学び直したいことが決まっていない方も、サイトを眺めているうちに何かいいヒントや将来像が見つかるかもしれません。

■在職中だからこそ活用できる「教育訓練給付金」
「リカレント教育が大切なことは分かるけど、費用の負担が・・」という方もいらっしゃるかもしれませんね。在職中のリカレント教育については補助の制度がいくつかあり、代表的なものとしては「教育訓練給付金」があります。

教育訓練給付金とは、厚生労働大臣が指定した講座を受講・修了した個人に対して、受講料の20~80%を国が支援する制度です。主な対象者として、雇用保険の被保険者もしくは離職してから1年以内で、今までに教育訓練給付を受けたことがない、および雇用保険の加入期間が1年以上の方です。

興味のある方はハローワークへ問い合わせをしてみましょう。現在の仕事に磨きをかける、あるいはリタイヤ後に新たな仕事をはじめて収入を得る、など人生後半戦へ向けた準備をするなら、在職中の今をどう過ごすかがとても大切です。

■リタイヤ後の学び直しをするなら今
リタイヤ後のライフプランの話をお伺いする中で「リタイヤ後は趣味を追求したい」というお話が出てくることがあります。その他にも「地域社会へ貢献したい」「新しい仕事へ挑戦したい」など、みなさんそれぞれ理想のプランをお持ちです。

そして、リタイヤ後のライフプラン実現の手助けになるのも、学び直しです。学び直しは何歳からでもできます。

学び直しの身近な手段として、各市区町村の生涯学習センターを利用する方法もありますが、実は今、大学での学び直しが身近なものになっています。「大学で学び直しなんて、難しくてついていけないのでは?」とか「費用がお高いでしょ?」とかイメージしがちですが、そんなことはありません。

少子化で学生数が減る中、大学では多くの方に学んでもらうための工夫をしています。例えば単位の取得はないものの、必要な科目だけ受講できる聴講生制度や、誰でも受講できるオープンキャンパス、中には遠方でも受講できるようにオンライン聴講ができる大学もあります。

青春時代を思い出して、学校に通学するとか、受講してみるというものなかなか楽しそうですね。

■やっぱり費用が気になって・・と躊躇している方へ
何かやってみたいけど、費用がかかるから・・」と、しり込みしていませんか?今は動画サイトで趣味や色々な授業などを無料で見ることもできます。

パソコンやスマホが苦手な方は、本を一冊買ってきて読むところからでもいいと思います。お金の専門家ファイナンシャルプランナーが言うのもちょっと変な話かもしれませんが、タイムイズマネー、時は金なりです。

家計簿マムをお使いのみなさんは、お金が大切であることは日々感じていらっしゃるかと思います。それと同じように、時間をどのように使うかはとても大切です。

実は私も今年は、お金についてもう少し深く学んでみようと思い、ネット検索などを活用して資料を集めているところです。みなさんも、今年の年末に「この一年は新しく学んで充実していた」と言えるとなんだか素敵ですね。

さぁ、一緒に何か学び直しをしてみませんか?

ファイナンシャルプランナー:大川 真理子